資 料

OHC-Sim特別研究委員会*

 

桜井 康雄**

 

* 平成2764日原稿受付

**足利工業大学工学部,〒326-8558 栃木県足利市大前町268-1

 

本研究委員会(委員長 九州工業大学 田中和博,幹事 足利工業大学 桜井康雄)は平成274月より第18期を開始している.本研究委員会は本学会の支援により開発した国産初の油圧回路設計・動特性解析用シミュレーションパッケージOHC-Simの機能向上,サポートおよびその有効的な使用方法を探索する委員会である.さらに,企業側の委員が抱えるシミュレーションに関する問題の検討も行う.

平成26年度は24名の参加であった.平成26年度の本研究委員会では,本研究委員会委員のOHC-Sim関連のサポート(追加マニュアル送付,セットアップと使用方法),依頼された講演(演題:ボンドグラフ法のエッセンス)を行った.

本委員会に設置された運営委員会においては,OHC-Sim Ver.2.75の作成スケジュールとその追加機能,Windows 8への対応およびOHC-SimVer.2シリーズとは別の概念を持ったOHC-Sim Ver.3.0の作成に関する検討を行った.さらに,OHC-Simの用途拡大のため,試行的に基本的な空気圧の基本素子のモデル(空気圧源,切換弁,空気圧シリンダ)を作成し,ユーザーカスタマイズ機能を用いてこれらの素子をOHC-Simに登録し,空気圧回路のシミュレーションを行った.平成26年度は東京ビックサイトにおいてIFPEX 2014が開催された.このカレッジコーナーにおいては,ポスター展示とパソコンを用いた実演を行い,OHC-Simの最新版であるVer.2.7の紹介を行った.さらに,本研究委員会は1Dのコンピュータシミュレーションおよびモデル化に関する特別教育講座を主催している.平成26826()に機械振興会館において「油圧システムのモデリングの基礎をつかむ」と題した特別教育講座を開催し,26名の参加者を得て盛会裏に本講座を終了した.

本学会の会員および賛助会員企業に所属している企業の方々はOHC-SimVer.2.7のダウングレード版であるOHC-Sim公開版を学会のホームページの会員ページから(http://www.jfps.jp/05.html)無償でダウンロード可能となっている.セットアップ方法と使用方法は本学会より出版した書籍「油圧システムのモデリングと解析手法」の第2章「OHC-SimJFPS40周年記念 公開版)機能・操作方法解説と例題集」に掲載されている.油圧システムの動特性のシミュレーションに興味をお持ちの方は,OHC-Sim公開版とシミュレーションに必要なフォートランコンパイラ(無償でダウンロード可能なフォートランコンパイラにも対応,このコンパイラのセットアップ方法についても前述した書籍に掲載)のセットアップを行い,豊富な例題を通して,油圧回路の動特性のコンピュータシミュレーションの有用性を体験して欲しい.さらに,OHC-Simに興味を持たれた方は,本学会において5万円で頒布しているOHC-SimVer.2.7をお使いいただき,本学会を活性化するためにも,本研究委員会に参加していただくことを期待している.

さくらい やすお

桜井 康雄君

1986年上智大学大学院博士前期課程修了.富士重工業(株),上智大学助手等を経て2000年足利工業大学講師,2001年同大学助教授,2007年同大准教授,2009年同大教授,現在に至る.油空圧システムの動特性解析,ECFを利用したシステムの開発に従事.日本フルードパワーシステム学会・日本機械学会の会員.博士(工学)

E-mail: ysakurai@ashitech.ac.jp

URL: http://www2.ashitech.ac.jp/mech/sakurai/

                                                                             

 

 
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