資 料
フルードパワーシステム特別研修会*
佐藤 恭一**
* 平成27年6月17日原稿受付
** 横浜国立大学大学院工学研究院,〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5
フルードパワーシステム特別研修会(以下,研修会)は,フルードパワーシステムおよび周辺関連分野の知見の修得を通して参加委員の研鑽の場を提供することを目的としており,新技術や研究の動向,課題提起などについて,第一線の講師による講演と参加者の活発な技術討議が行えるセミナー形式の会合を年間5〜6回開催している.回によっては,セミナーに代えて,参加者の関心である企業,研究機関,施設などの見学を企画し,参加委員の見聞を広める活動も行っている.研修会の発足は,当学会が前身の日本油空圧学会であった1990年7月である.ちなみに,発足時の名称はフルイドパワーシステム特別研修会であったが,現学会名とほぼ同じ名称を先行して取り入れていたことは興味深い.
当研修会は,一期2年の単位で,期と開催回数を重ね,2015年5月14日に第123回研修会を開催するに至り,当緑陰特集号が公開される前の7月に第124回が開催される予定である.研修会では,参加委員は懇談を通して親交が深まり,産学や企業間の垣根を低くして集中した意見交換ができるので,単なる情報収集の機会ではなく,フルードパワーに関わる人の交流としても有意義な会となっている.委員長は横浜国立大学 佐藤恭一,幹事は元学会事務局長 斉藤賢治が担当し,研修会参加者は年度によって変動があるが,2015年6月現在,企業側委員,大学側委員あわせて14名である.最近の5回の研修会(第119回〜第123回)のメインテーマを紹介すると,第119回「鉄道車両用電機品−製造事業所見学−」(見学),第120回「空気圧駆動を用いた手術支援ロボットシステム」(講演と見学),第121回「トンネル掘進機」(講演と見学),第122回「高エネルギー加速器研究機構見学」(講演と見学),第123回「サイボーグ技術,マッスルスーツ,空気圧アクチュエータ」(講演)である.たとえば,直近の第123回では,この研修会メインテーマのもと,大学等の研究者を講師に招き「サイボーグ技術とその福祉応用〜筋電義手の話を中心に」,「人の活動を支援する機械システム(空気圧人工筋肉の応用)」,「薄肉金属ベローズの空気圧アクチュエータ応用」の3講演を実施し,大変活発な議論を通して有用な知見を得ることができた.
今後も毎回魅力ある研修会テーマを企画していく.当研修会の活動にご関心を持っていただければ,委員長または学会事務局にご一報いただき,ぜひ,委員としての参加をご検討いただきたい.
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