資　料

OHC-Sim特別研究委員会*

桜井　康雄**

* 平成28年6月6日原稿受付

**足利工業大学工学部，〒326-8558 栃木県足利市大前町268-1

本研究委員会（委員長九州工業大学田中和博，幹事足利工業大学桜井康雄）は平成28年4月より第19期を開始している．本研究委員会は本学会の支援により開発した国産初の油圧回路設計・動特性解析用シミュレーションパッケージOHC-Simの機能向上，サポートおよびその有効的な使用方法を探索する委員会である．さらに，企業側の委員が抱えるモデリングおよびシミュレーションに関する問題の検討も行う．

平成27年度は1社2名の参加であった．平成27年度の本研究委員会では，委員が抱えている油圧システムのモデル化に関する問題について田中委員長を中心として検討を行った．さらに，OHC-Simの機能向上を目的とした空気圧要素機器のモデル作成・動作確認試験および本研究委員会の運営委員会が主催している1Dのコンピュータシミュレーションおよびモデル化に関する特別教育講座の内容の刷新を行った．

本委員会に設置された運営委員会においては，パワーフローに基づいたOHC-Simモデル説明画面の修正，Windows 8および10への対応，ユーザーカスタマイズ機能の強化によるバージョンアップを視野に入れたOHC-SimVer.3.0の開発，モデル化に使用できる素子数を増やすことによるOHC-Sim公開版のバージョンアップのこれら4項目に関する検討を行った．さらに，特別教育講座を平成27年8月25日(火)に機械振興会館において開催した．平成27年度より内容を刷新し，タイトルは「油圧システムのモデリングの基礎をつかむ－ブロック線図とパワーフロー－」として実施した．参加者は18名（一般：3名，正・賛助会員：14名，学生員：1名）であった．

本学会の会員および賛助会員企業に所属している企業の方々はOHC-SimVer.2.7のダウングレード版であるOHC-Sim公開版を学会のホームページの会員ページから無償でダウンロードできる．セットアップ方法と使用方法は本学会より出版した書籍「油圧システムのモデリングと解析手法」の第２章「OHC-Sim（JFPS40周年記念公開版）機能・操作方法解説と例題集」に掲載されている．油圧システムの動特性のシミュレーションに興味をお持ちの方は，OHC-Sim公開版とシミュレーションに必要なフォートランコンパイラ（無償でダウンロード可能なフォートランコンパイラにも対応，このコンパイラのセットアップ方法についても前述した書籍に掲載）のセットアップを行い，豊富な例題を通して，油圧回路の動特性のコンピュータシミュレーションの有用性およびOHC-Simの操作性の良さを体験して欲しい．その結果として，OHC-Simに興味を持たれた方は，本学会において5万円で頒布しているOHC-SimVer.2.7をお使いいただき，本学会を活性化するためにも，本研究委員会に参加していただくことを期待している．

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