本号では，これまでの企画を踏襲し，一般の方々に広く公開している電子出版号の特長を活かし，（一社）日本フルードパワーシステム学会について広く知っていただくため，平成30年度の学会賞等の受賞者による随想および技術解説記事，および活動中の研究委員会等の紹介記事を特集することにした．

平成30年度の学会賞等の受賞者は以下の通りである（敬称略）．

・学術論文賞：山本久嗣，西田均，百生登（富山高専），島田邦雄（福島大学），井門康司（名古屋工業大学）：磁気混合流体を用いたホーニング加工特性と加工中の磁気クラスタの挙動，日本フルードパワーシステム学会論文集，Vol.49，No.1，p.26-34 (2018)．

・技術開発賞：西田信治，駒田浩一，黒田裕一朗（川崎重工株式会社）：カンパニー斜板式高速油圧モータM7Vシリーズの開発

・技術開発賞：Andreas Guender（Bosch Rexroth AG），（日本連絡先：浦井隆宏（ボッシュ・レックスロス株式会社））：円筒型新油圧パワーユニットCytroPac．

・SMC高田賞：西川弘太郎（津山工業高等専門学校）：感覚フィードバック機能を備えた無動力型空気式義手の開発，日本フルードパワーシステム学会論文集，Vol. 49，No. 2 (2018)．

・SMC高田賞：浮田貴宏（東京工業大学）：流路に直交方向の加振を利用した油圧微粒子励振型制御弁の試作と評価，日本フルードパワーシステム学会論文集，Vol. 49，No. 1 (2018)．

・技術功労賞：大場孝一（油研工業株式会社）

・学術貢献賞：西海孝夫（防衛大学校）

・油空圧機器技術振興財団論文顕彰：村山栄冶，黒澤和磨，川上幸男（芝浦工業大）：E-FRITを用いた空気圧サーボ系の力制御PIDコントローラ設計，日本フルードパワーシステム学会論文集，Vol.49，No.2，p.42-48(2018)．

・名誉員：大内英俊（山梨大学）．

本特集は編集委員の村松久巳氏および塚越を中心に企画した．貴重な記事をご寄稿いただいた執筆者の皆様および本特集号の発行にご尽力いただいた編集委員の方々に厚くお礼申し上げる．

著者紹介

つかごしひでゆき

塚越秀行君

1998年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了．同年日本学術振興会特別研究員,1999年東京工業大学助手,2004年同大学院助教授,准教授　現在に至る． 2001年～2004年科学技術振興事業団さきがけ21研究員兼任．生物に学ぶ流体駆動原理・レスキューロボット・医療福祉用アクチュエータなどの研究に従事．2007年度文部科学省若手科学者賞, 2012年IEEE Robotics and Automation Best Service Robotics Paper Award, 2015年Journal of Robotics and Mechatronics Best Paper Award, などを受賞. 博士（工学）．

E-mail: htsuka(at)cm.ctrl.titech.ac.jp