挨 拶

 

副会長のご挨拶

 

嶋村 英彦,川上 幸男

 

一般社団法人日本フルードパワーシステム学会の2022年度総会が527日にオンライン形式で開催され,眞田一志会長が任期満了となり,奈良工業高等専門学校・早川恭弘先生が新たに会長に選出されました.また副会長には,川崎重工業(株)・嶋村英彦の続投に加え,芝浦工業大学・川上幸男が新たに任命されました.私ども2名は副会長として,早川新会長を補佐しつつ,学会の運営に尽力して参りたいと考えております.副会長のご挨拶として所信を述べさせていただきます.

2020年初頭からの新型コロナウィルスの感染拡大の影響を大きく受け,学会活動においては臨機応変な対応が必要となったこの2年間でした.講演会,セミナー等の通常のイベント行事は対面形式での実施が難しく,基本的にはオンライン開催での実施となりましたが,企画委員会の尽力により各行事とも趣向を凝らしたものとなり,オンライン形式でも活発な質疑,討論,研究者間交流の場を設けることができました.オンライン形式での実施は距離的,時間的なハードルを下げ,気軽に参加できるといった新しい価値観を創出できたように感じています.一方で,フェースtoフェースだからこそ得られる交流も少なからず存在し,オンライン形式だけでは十分でないことは誰もが認識していることかと思います.コロナ禍が落ち着いてきており,今後は対面形式での実施を基本としますが,オンライン形式だから提供できるサービスにも着目し,両方のバランスをうまく取るように企画を進めて行きます.

JFPSフルードパワー国際シンポジウムは本学会の重要な国際交流事業になりますが,当初202010月開催予定の第11回・函館大会は,1年延期して202110月に開催することができました.従来のように参加者が現地に集まり対面形式での開催は難しいことから,講演発表は事前にビデオ登録し,大会期間中に函館からオンデマンドで配信し,質疑はオンラインで対応するといった新しい試みを行いました.通常の国際交流が実施できない中,国を超えてフルードパワー研究者間の情報交換を活性化するといった大きな目的を達成することができました.次回・第12回については広島を開催地として202410月開催をめざして計画を進めています.感染状況が落ち着き,基本的には参加者が現地に集い,対面形式で情報交換を行える場を提供したいと考えています.また,時間的,距離的な制約が小さくできるといったオンライン形式の利点を踏まえ,函館大会で得られた知見を一部効果的に取り入れることも考えています.また,第6回の日中韓共同ワークショップも1年延期して20217月にオンライン形式で国立釜慶大学にて開催することができました.次回第7回については日本開催となり,2023年に対面形式での開催をめざして準備を進めております.日中若手交流事業についても2020年から中断しておりますが,2022年には是非とも再開し,中国現地に若手研究者を派遣したいと考えています.

産学連携の事業に関してもアフターコロナを見据えて,より一層フルードパワー工業会などと共同し,共同研究事業が一層拡大できるように支援を進めていきます.

早川新会長のもと,皆様のお役に立てるよう尽力してまいりますので,ご理解ならびにご支援のほど,なにとぞよろしくお願い申し上げます.

 

 

 

 

 

著者紹介

嶋村英彦

しまむらひでひこ

嶋村英彦 君

川崎重工業株式会社 専務執行役員,精密機械・ロボットカンパニープレジデント                                                        

E-mail: shimamura_h(at)khi.co.jp

 

 

 

 

 

川上幸男かわかみゆきお

川上幸男 君

1991年早稲田大学大学院工学研究科博士課程単位取得満期退学.1992年芝浦工業大学助手,講師,助教授を経て,2004年同大学システム工学部教授.空気圧システム制御の研究に従事.日本フルードパワーシステム学会,日本機械学会などの会員.博士(工学)                                                       

E-mail: kawakami(at)shibaura-it.ac.jp