資 料

 

深層学習を活用したフルードパワーシステムのモデル化と制御に関する研究委員会*

 

小林 亘**

 

* 202269日原稿受付

** 岡山理科大学情報理工学部情報理工学科700-0005 岡山県岡山市北区理大町1-1

 


1.はじめに

本研究委員会は,深層学習をフルードパワーシステムに適用する場合の効果の検証およびその技術的課題を明らかにすることを目的として2019年に設置され,2年間の委員会活動を行ってきた.2021年度はさらに1年間の活動延長申請を行っており,6回の研究委員会を開催してきた.また,これまで得られた知見を広く活用するため,対象をモデル化および制御からフルードパワーシステム全体に拡大することを目的として,2022年度に「深層学習を活用したフルードパワーシステムに関する研究員会」を新たに設置している.以下では2021年度の活動報告に加えて2022年度の活動計画について紹介する.

2.委員会の活動状況および2022年度の活動計画

研究委員会は2021年度に予定していた6回が開催され,深層学習をフルードパワーシステムへ適用した事例の情報共有を目的とした報告会や,各委員が個別に開発環境を構築して行った実施内容についてディスカッションが行われた.油圧から空気圧,水圧まで幅広いフルードパワーシステムの各種課題に関して深層学習を適用した結果が共有され,深層学習の効果や可能性について積極的な議論がなされた.なお,2022年度は以下の活動を予定している.

1回:キックオフ,フルードパワーシステムの課題共有

2回:深層学習を活用したフルードパワーシステムに関するグループワーク

3回:ベンチシステムの構築と検証用データの取得

4回:外部講師による講演および情報交換

5回:複数アプローチによる実習実施結果の報告会および効果の検証

6回:複数アプローチによる実習実施結果の報告会および効果の検証

3.おわりに

コロナ禍の影響によりオンライン形式となった2021年度では計画した全6回の研究会が開催され,委員間で活発な意見交換がなされた.また,実際に各委員が抱えているフルードパワーシステムに関する具体的な課題に対して深層学習を適用した結果を共有することができ,深層学習の可能性を検討する材料を提供する場となった.2022年度も対象をさらに広げて活動することを予定しているため,深層学習に興味がある,もしくは深層学習のフルードパワーシステムへの活用を検討している皆様のご参加を心よりお待ちしている.

著者紹介

こばやし わたる

小林 亘 君

2015年芝浦工業大学大学院理工学研究科博士課程機能制御システム専攻修了.同大学ポスドク研究員,2016年岡山理科大学助教を経て,2018年同大学講師,現在に至る.日本フルードパワーシステム学会,日本機械学会,計測自動制御学会などの会員.博士(工学).

E-mail: w-kobayashi(at)ous.ac.jp