資 料

 

社会課題解決に貢献する革新的フルードパワーシステムに関する研究委員会*

 

小林 亘**

* 2026624日原稿受付

**岡山理科大学情報理工学部情報理工学科700-0005岡山県岡山市北区理大町1-1

 


1.はじめに

本研究委員会は,フルードパワーシステムが社会課題の解決にどのように貢献できるかを多角的に検討するため,2025年度に新たに設置された.具体的には,油圧・空気圧・水圧・機能性流体の特性を活かした新たなユースケースの探索に加え,電気システムにはない優位性をどのように活用できるかについて議論することを目的としている.また,これまでに実現されていないフルードパワーを活用した理想的なアプリケーションを成立させるために克服すべき技術的課題を洗い出すことも目的の1つとなっている.本研究委員会は,多様なバックグラウンドを持つ研究者および技術者が集い,委員同士の自由闊達な議論を通じて新たなアイディアを創出し,新しいフルードパワーシステム像を提案する場を提供することを目指している.

2.研究委員会の活動状況

本研究委員会の活動初年度となる2025年度は2回の委員会活動を行っている.第1回研究委員会では,本研究委員会の方向性とワークショップ形式での議論の方法について検討した.上述のように,本研究委員会は新たなユースケースの探索を目的の1つに挙げているが,どのような方法でこれを実現するか意見を出し合い議論を行った.フルードパワーシステムの技術者および開発者の目線ではなく,利用しているユーザ目線に焦点を当て,現状の課題や新たなニーズを直接的に掘り起こすことが必要であり,候補として農業や林業,漁業といった第一次産業,福祉・医療分野などが挙げられた.また,直接意見を伺える関係者の候補が共有された.第2回研究委員会では,パーカー・ハネフィン株式会社の中村様を講師に迎え「社会課題解決に貢献するフルードパワー」という題目で講演を行っていただいた.今回は岡山理科大学情報理工学部の学生を対象として案内を行い,学部2年生から修士2年生まで計20名が参加した.講演後にはアンケートのフィードバックまで頂き,参加した学生からもフルードパワーの魅力が良くわかったと好評であった.

3.おわりに

2025年度は当初予定していた活動を行うことが十分にできなかったが,2年目となる2026年度はこれまでに議論した内容を具体的に活動に活かしていく所存である.委員は随時募集しているため,多様な研究者および技術者にご参加いただき,より有意義な研究委員会としていきたいと考えている.これにより,フルードパワー分野のさらなる発展に寄与し,産業界・学術界問わず多方面での新規プロジェクトや技術革新を喚起していきたい.

 

小林 亘(こばやし わたる)

2015年芝浦工業大学大学院理工学研究科博士課程機能制御システム専攻修了.同大学ポスドク研究員,2016年岡山理科大学助教を経て,2018年同大学講師,2024年同大学准教授,現在に至る.日本フルードパワーシステム学会,日本機械学会,計測自動制御学会の会員.博士(工学).

E-mail: w-kobayashi@ous.ac.jp